昨日は午前中事務所で作業して、昼ごはんのあと空港に向かいました。
かなり余裕を持って出たはずが、やはり空港の直前で恐ろしいほどの渋滞に巻き込まれ定刻45分前の到着となりましたがまだ余裕はありました。
チケットはゲート番号が判る前に事務所で印刷しており、いつもはターミナル3の手荷物検査を抜けるとゲート番号が大画面に映ってていつもそれを頼りにしてるのですが、この日は大画面が移設工事で稼働しておらず。
ゲートのあるフロアまで降りても、そこの画面も消えており、どこに行けばいいのかわからないまま右往左往、幸い他の画面を見つけて事なきを得ました。
さて、ほぼ定刻のボーディング。
この便はいつもの小さいボーイングB737ではなく中型機のエアバスA330でした。
この日のガルーダインドネシアの機内音楽は普段と違ってwe wish your merry x'masのオーケストラ版が流れており、季節感のない南国のクリスマスながら少しだけ気分が明るく高揚してきます。
飛行機は滑走路の混雑で離陸に時間を要しながらも無事にテイクオフ。
機内では先日成田空港で買った綿矢りさの「勝手にふるえてろ」を読みながら、この主人公の女性はまるで高校の時の同級生女子みたいだなぁ、そもそもこの拗らせたような表現は攻撃的なカクカクした独特の文字を書いていた彼女が書きそうな文章だ、とか思いながらお茶をすすりつつ読み耽ってました。
スラバヤが近づくと少しだけ揺れることもありましたがあまり気にせず。
着陸するよーのアナウンスも気にせずにいました。
そして、相変わらず本の上の活字を眺めていたその時、飛行機が轟音を上げて急に加速、驚いて窓の外を見るとスラバヤの空港ビルが真っ白な大雨の中で眼下に消え去ってゆきました。
悪天候で着陸失敗した模様、タッチ(未遂)アンドゴーといった感じでタイヤの着陸衝撃も感じないまま飛行機は灰色の雲の中へと舞い戻ったのです。
これまで200回くらい飛行機に乗ってると思いますが、これは人生で初めてです。
しかも、この後アナウンスが何もなくただひたすらスラバヤから低高度で離れていくのみ。
こういう時、性格上何も情報がないことほど不安なものはありません。
あまりにも長い間無言のまま不安定にガタガタ揺れながら飛び続けていたので、まさかハイジャックとかされてないよな、このまま死んだらどうしよう、大抵死んだ後に子供が出来たとか応募してた懸賞に当たったとか朗報が入るんだよな、嫁は日本に帰ることが出来るんだろうか、みたいなことまで考え始めてしまいました。
内側の列のおっちゃんががんばって機窓の向こうを眺めたり不安そうな雰囲気が機内に蔓延していましたが、それを和らげるべくアナウンスがあったのは、再び空に飛び立ってから20分ほど経ってからでしょうか。
機長です。(ピー子です。)当機はスラバヤへの着陸をキャンセルしました。大雨の為です。雨が弱まるまでまだ暫く時間を要するのでこのまま上空で待機します。
アナウンスが出た瞬間ホッとした気持ちと、キャンセルという単語が出た瞬間脳裏をよぎった「このデカい機体どこに降りるんだ!?」という思い。
ジャカルタに帰るなら諦めはつく、最も近いバリに降りたら火山まだ動いてるし困るなぁ、かといって近隣のマランやスマランじゃ滑走距離が足りないからA330は降りられないだろうし。。。
そのうち恐怖とベルト着用が続いたあまりお子さまの中には大きいの漏らしちゃった子もいて、何人かの子供の泣き声と香ばしい臭いとそれをかき消すお手拭きの柑橘系の香り、大人も不安そうな顔で機内の空気はいろいろと混ざり込んでいました。
それでも、雲の切れ間から下界の道路の車列が見えてきて、機体が再びスラバヤ空港に向かい始め、cabin attendant, landing positionのアナウンスが出てくれて直ぐに無事に未だ大雨のスラバヤ空港に着陸しました。
時計を見ると定刻の17時から1時間遅れ、18時過ぎの到着でした。
で、スラバヤに降り立ったものの居るはずのお迎えがいない。
先にスラバヤ入りしていた先発部隊のひとりに電話をすると、なんでも今夜会うはずのお客さんが夜に急用できてしまい既に先発部隊がお客さんと会ってると、そして俺を迎えに来る人も大雨で大渋滞してるからあと30分くらいかかると。。
仕方なく空港内のスタバに入り時間つぶし。
ここで文庫本を機内のポケットにしまい込んだまま回収し忘れていたのを思い出しました。
本編読了していたのでまぁいいか、と諦めてケータイポチポチしながらコーヒータイム。
期待していた人からの残念な結果なメールに少し気落ちしたり、つまらないネットニュースを眺めたり、愚痴をSNSに書いたりして時間を潰しましたが、しかし、1時間待てども来ないし連絡も何もない。
カップの中のコーヒーも尽きてエアコンの風が冷たく安いホットコーヒー1杯で長居する客を追い出しにかかっているよう。
遂には耐えきれなく店外へ逃げ、改めて迎えの確認の電話をするも、大雨で洪水で大渋滞や、けどだいぶ近くまで来てるから、スマン、ホントにスマンと言われると此方こそ申し訳なくなります。
況してや会う予定のお客さんとはどうやっても会えないこの状況、既に何のためにスラバヤに来たのかもわかりません。
雨がだいぶ小康状態になりながらも蒸し暑い中でどれだけ待ったのでしょうか。
漸くお迎えが来てくれて、まずは晩ごはんやと空港の近くで簡単に(いや、結構フルコースに魚にラヲンにデザートのフルーツ盛り合わせまでつくくらいに)晩ごはんを済ませていざ市内のホテルへ。
ホテル到着は夜10時、熱いシャワーでやるせなさを流して、ベッドにカラダを放り込みました。
気分的なものか眠りは浅く何度か目覚めつつそして翌朝、4時半モーニングコールで起きて5時過ぎにはホテルチェックアウト。
フロントにお願いしていたサンドイッチを受け取り前夜と同じ人に空港まで見送って貰いました。
そして朝7時半、この身は再びスラバヤ上空へと舞い上がりジャカルタへ向かうのです。
今回はライオンエア系列のバティックエア。
まだ雨が残り濡れたままの空港。
いやはや、今回のスラバヤには飛行機乗って恐怖体験をして、浅く眠るだけの為に来たことに。。
最高に無駄な出張となりました。
死ぬほどの不運を味わって居る訳ではないからそこまで気に病んで居るわけでも無いのですが、やっぱり、心が疲れます。
クリスマス前にやって来た慌てん坊のサンタクロースからの嫌がらせかしら。
何ともボタンが掛け違っているような居心地の悪さに、勝手にふるえてろと独りごち。。。
↓↓↓クリックお願いします↓↓